2008年にシングル『Home』でデビューした清水翔太。以来、ポップスの体裁とソウルフルな歌声のフュージョンで華麗に支持層を拡大していったわけだが、R&Bシンガーソングライターとしての自我が明らかに現れ始めるのは、通算三作目となるこのアルバムから。
世のパーティーピープルを扇動する「Party All Night」の頼もしさ。現在に続くレイドバック歌唱の原点とも言えるネオソウル「Eclipse」の円熟味。どの曲も己の趣味嗜好を解放し、R&B/ソウルの本質を存分に楽しもうとする彼の姿がすんなりと目に浮かぶ。かのJOEとコラボしている点からも、本作が”そういう方向を”目指しているのは自明。
村山晋一郎との共作「So Good」では初のベッドタイムソングに挑戦。懸命にフェイクをこなす一方、今にして聴き直すと所作にちょっとした初々しさも感じられ、本作ならではの甘酸っぱさをスムーズに訴求する。くわえて、尾崎豊のカバー「Forget-me-not」、「GOODBYE」や「YOU&I」といったシングル曲など、従来の明快なナンバーもバランス良く配置と、まさに清水翔太の転換期、勝負どころを象徴する繊細な力作である。
清水翔太『COLORS』
2011年3月9日発売
<収録曲>
1. GOODBYE
2. flower
3. YOU&I
4. Party All Night
5. Forget-me-not
6. 空
7. 君が暮らす街
8. So Good
9. Winter Love Song
10. Midnight Flight
11. Eclipse
12. Tears
13. let go ~maison de m-flo~
14. Summer Time
15. “Be With You” duet with JOE