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【アルバムレビュー】加藤ミリヤ 『BEST DESTINY』

今週のオリコンチャートで見事初登場1位を獲得した加藤ミリヤの企画アルバム『BEST DESTINY』(08.11.05)。「ディア ロンリーガール」「ジョウネツ」「19 Memories」など、サンプリングを用いた楽曲中心に収録された、実質の「ベストアルバム」に限りなく近い位置付けの出来る内容です。

収録曲

1. 恋シテル Album Ver.
9月にリリースされた「SAYONARAベイベー」との両A面曲で、Shaniceのウルトラ・クラシック「I Love Your Smile」をサンプリングした軽快なラヴ・ソング。シングルとはVer.違いらしいんですが、正直どこかどう違うのか分かりません(笑)。

2. このままずっと朝まで
誰もが一度は耳にした事があるだろうTanto Metro&Devonteの定番曲「Everyone Falls In Love」ネタの、時めき溢れるフロア・チューン。手堅いノリと心地よいグルーヴ感で、ファン層の核を担う女子中高生の間でも特に人気の高い曲です。

3. ディア ロンリーガール

ECD「ECDのロンリーガール」、佐東由梨「ロンリーガール」、Marvin Gaye「Sexual Healing」など、数々のサンプリングルーツを持つ出世作。女の子の名前をひたすら羅列し、自分の心の内を同年代の痛みと照らし合わせ表顕し抜いたリリックは、当時えらく眩しく映ったのでした。




4. 19 Memories
安室奈美恵の1996年発表の名曲「SWEET 19 BLUES」のサビフレーズをHookに用いた、子供と大人の狭間を彷徨う悩める女子の背中を押すミリヤ10代最後のシングル作。

5. ジョウネツ
UAの「情熱」をサンプリングした、ストリングスが麗しい傑作バラード。
この辺からメディアへの露出が一気に増え始めます。

6. 愛が消えた日

アルバム唯一の新曲は、ダンスホールグループ・T.O.Kの「I believe」ネタの緩~いミディアム・ラガナンバー。

7. Better days -sweet love side-

”童子-T feat.加藤ミリヤ、田中ロウマ”名義で2006年2月にリリースされた楽曲のセルフカバーVer.。とはいえ、リリックをはじめ改変箇所がいくつかあるので、原曲とはまた違った味わい方が出来ます。

8. for so long

m-floのメジャーデビューシングル収録の「been so long」をサンプリング使用した楽曲第1弾。大らかな空気を放つ甘美なスローチューンです。

9. So Gooood

RIP SLYME「One」ネタ使いのポジティブ指向のアッパー。原曲から丸ごと拝借したギターフレーズが印象的です。

10. 夜空

記念すべきデビュー曲。BUDDHA BRANDの「人間発電所」をサンプリングしたイカしたHIP HOP SOULチューンです。

11. ONE DAY~夜空Remix~/加藤ミリヤ♥m-flo

その「夜空」をサンプリングするという離れ技を使ってみせた、m-flo♥加藤ミリヤ名義「ONE DAY」のRemix。原曲よりも断然カッコいいっていう。

12. for so long PARTII

⑧に続くm-floの「been so long」ネタの第2弾。こちらは原曲のトラックを、贅沢にもほぼそのまま使用しています。

13. ミシェル~愛のテーマRemix~

「ルパン三世 愛のテーマ」をサンプリングした、Hookでの取って付けたような間延びしたメロディーが良くも悪くも耳に残るアップ・チューン。

14. FUTURECHECKA feat.SIMON, COMA-CHI & TARO SOUL

ラストはZEEBRA&KEN-BOの「PARTEECHECKA」のアンサーソングとして発表されたマイクリレー作品。「PARTEECHECKA」からのサンプリングは勿論、原曲でも使用されていたEarth,Wind&Fireの「Brazilian Rhyme」ネタも健在です。

以上全14曲収録です。有名ネタが多いながら、それらを時にセンセーショナルに、時にオーソドックスに用い練り上げられた楽曲群は、何だかんだでクオリティの高い素晴らしいものが多く、アルバムを通して聴くと尚壮観でした。これだけカバーだの薄っぺらいだのと叩かれても一切ブレないこの自立した音楽性こそが、今彼女が支持される大きな所以になってるんだろうなぁと強く感じました。

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