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【アルバムレビュー】melody. 『Sincerely』

10月にデビュー5周年の軌跡を辿るベスト盤を発売する事が発表された女性シンガー・melody.の1stアルバム。デビューからの3枚のシングルを収録した全14曲です。R&Bのテイストを特にふんだんに盛り込んでおり、Japanese R&Bの見地からでも十分に評価できる作品だと思っています。




主な収録曲は、Christina AguileraやFergieらの作品で手腕を振るうRob Boldtプロデュースによる、ロートーンで展開するVerseにシビれる勇ましいミディアムダンス・チューン①『All Night Long』、発売当時大掛かりなプロモーションが決行された鮮烈デビュー曲の英語詞Ver.②『Dreamin’Away』、心にナチュラルなぬくもりを宿してくれる幻想的ミディアム③『Angel Angel Angel』、アルペンのCMソングに起用され彼女の知名度を押し上げる切欠になった快活トラックで送る冬のアップ・ナンバー④『Crystal Love』、数々のJ-R&B作品を手がけてきたAKIRA作のすっきりとした興趣のグルーヴが気持ちよすぎる躍動チューン⑥『flower bed』、雨上がりをテーマにして制作されたという個人的にも大好きなキャッチー・ミッドダンサー⑦『Simple As That』、Rob Boldtが当初Britney Spearsに提供する予定だったというモロ「Oops!…I Did It Again」路線の曰くつき鈍重ポップ⑧『Just Be A Man』、今やさまざまなアーティストにカバーされ愛され続けている「オズの魔法使い」内の名曲のハウス調カバー⑨『Over The Rainbow』、USで活躍するエレクトロ系DJ・Peter”Peas”McEvilleyが関与したmelody.の気張った歌唱が窺える貴重なエモーショナル・アッパー⑩『Soon You’ll Be Alone』、自分を支えてくれた人たちへの感謝と敬意を切々と歌い上げる気高きアルバムタイトルチューン⑪『Sincerely』、ビートが虫のごとく敏捷にトラック中を這う全英語詞のクールなミッド⑫『You Want This』、そして9.11テロにインスパイアされて作られたというたおやかバラード⑭『Once Again』などなど。

多彩な制作陣を迎えて織り上げられた、全編を通して安定感のある1枚になってます。特にRob Boldt制作の①②⑫なんかは、先鋭的なR&B/POPSを見事に表現し抜いてて、素晴らしいと思います。バラードの⑪や⑭も正統的なサウンドアプローチながら、決して侮れない仕上がりだと思うし。そして極めつけは神々しいシングル曲⑦!たまらんっすね、melody.の麗しいボーカル捌きが。2ndや3rdも秀作ですが、R&Bという技巧派ジャンルに果敢に挑んだこのアルバムこそ、彼女の顕在的な才能・魅力を思う存分味わえる1枚だと思います。

さて、冒頭でも触れたベストアルバムのニュースですが、発売日は10月8日予定で、タイトルは「The Best of melody.~Timeline~」とのこと。これまでのシングル曲がコンプリートされるほか、カップリング曲もちょこちょこ収録され、さらにはm-floとの神コラボ「miss you」もボートラで収録されるようです。とりあえず収録予定曲の中に「Believe me」があってホッとしたのは俺だけじゃないはず!

『Sincerely』(Amazon)

melody.『Sincerely』(2004/1/21)
1. All Night Long
2. Dreamin’ Away(English Version)
3. Angel Angel Angel
4. Crystal Love
5. Don’t Let Go
6. flower bed
7. Simple As That
8. Just Be A Man
9. Over The Rainbow
10. Soon You’ll Be Alone
11. Sincerely
12. You Want This -24 seven-
13. Precious Baby
14. Once Again

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