JAPANESE R&B

【アルバムレビュー】日之内エミ 『ME…』

日之内エミのニューアルバム『ME…』(08.12.05)。改名後初となるアルバムで、「日之内絵美」時代から数えると、実に5年ぶりとなる通算2枚目のアルバムです。




収録曲は、DJ Deckstreamの手がけた快活かつ爽快な改名後初のCDシングル曲①『O’kay』、SOFFetとのコラボが実現した、ボッサやジャズなどのテイストを盛り込んだクロスオーバーチューン②『Music Of Love』、片想いの切ない心情を丁寧に描きあげた「Crying」路線の切ないミディアム③『片想い』、ソーダ水のような刺激的な甘さがたまらない淡いラブソング④『恋はリルラリ』、親交の深いRyoheiとのラテン情緒溢れるまさかの「夏ウタ」コラボ⑥『夏恋』、恋愛に勤しんだ遠い夏の日を述懐した、Deckstream節全開のサンプリング使用ミディアム⑦『GOODIE MEMORIES』、「氷結」CMソングで親しまれた、Amerie「1 Thing」っぽい生々しいビートが炸裂するフレッシュなアッパー⑧『Get Up!』、ドリーミーなアレンジが目を惹くfaithのJamプロデュースの小綺麗ミッド⑨『ファーストデート』、癒しの旋律を奏でるギターに魅力的なハスキーボーカルがよく絡んだ、是非とも海辺の木陰で聴きたいサーフ調スロー⑪『Heart feel vacances』、彼女のシンガーソングライターとしての天賦のアビリティをこれでもかと見せつけられたアコースティック勝負の泣きバラッド⑫『愛だけが』、繊細な歌唱にひたすらフォーカスを当てたピアノ独奏による美しいナンバー⑭『Grow』、そしてMAKAIの最新アルバムから彼女が参加した曲をニューヴァージョンで収録した⑯『TWINKLE STAR』などなど。

多岐に渡るテイストの音楽を彼女なりに消化した、意欲性の高いポップ・アルバムです。今作はその中でも特に、「生音」に対するこだわりを強く持った楽曲が多く収録されているように感じました。10曲目以降の流れでは、まさにそれを顕著に体感出来るかと思います。

シングル「愛だけが」がリリースされた当時、それまでの打ち込み重視の音楽性からの大がかりな方向転換により、正直敬遠しかけた時分も一瞬ながら確かにありました。でも今思うと、それが結果的に、彼女に潜在していた新たな機軸を打ち出しきる事に決定的に結びついているんですよね。何よりもこのアルバムで生音を嗜む彼女は眩いほどに「生き生き」してて、俺はもうそれだけで十分満足です。
・・・とは言いつつ、期待してた「Freak!」みたいな前衛的なR&Bがなかったのには、やっぱりちょっと寂しいものがあるりますが(笑)。

『ME…』(Amazon)

日之内エミ『ME…』(2008/12/05)
1. O’kay
2. Music Of Love 日之内エミ/SOFFet
3. 片想い
4. 恋はリルラリ
5. chocolate
6. 夏恋 日之内エミ/Ryohei
7. GOODIE MEMORIES
8. Get up!
9. ファーストデート
10. I Love You
11. Heart feel vacances
12. 愛だけが
13. interlude |~in my dream~
14. Grow
15. E・S・C・A・P・E
16. TWINKLE STAR feat.日之内エミ (SHINE ON ME ver.)/MAKAI

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