”Queen of R&B”の異名を取る歌姫、DOUBLE。2002年に発表した「Strange Things」の海外ヒットも記憶に新しい、Y2K(2000年代)を象徴するR&Bシンガーです。
本記事では、DOUBLEのシングル全18タイトルがストリーミング配信開始となった記念として、DOUBLEファンである筆者が選ぶDOUBLEの名曲をご紹介します。DOUBLE入門としても機能する内容なので、記事の最後に掲載しているプレイリストと合わせてぜひお楽しみください。
女王の軌跡!DOUBLEの名曲紹介
For me(1998)
実の姉妹であるSACHIKOとTAKAKOが、MISIAとほぼ時を同じくしてデビューを果たしたのが1998年初頭。まさしく日本におけるR&B元年に登場した二人は、歌謡界で数多くの功績を残してきた筒美京平を作曲に迎え、初作にして風雅なハーモニーを確立するに至りました。なお、本作のカップリングにあたるUAのカバー「甘い運命」もソフトな秀作なので、このほど解禁されたストリーミングでぜひ。
BED(1998)
3rdシングル。ファットなビート使いでフロアへと目配りしつつ、DOUBLEの音楽性の特徴でもある和情緒との戯れが遺憾無く発揮された本作で、彼女たちは一躍注目の的に。プロデュースは、のちにCHEMISTRYやEXILEを大ヒットに導く名匠・松尾潔。
Shake(1999)
「BED」で温まったR&Bフリークたちの期待に堂々と応えた、ご存じヒット作。今井了介の手による都会的かつ官能を揺さぶるループトラックも、MVで見せる妙に”ユルい”ダンスも、90年代のJ-R&Bを代表する表現として掲揚するにふさわしい。ちなみに、本作をリード曲に据えたプロローグ・アルバム『Crystal』は60万枚を超える大ヒットを記録しました。DOUBLE、完全に現象化。
Angel (2000)
順風満帆に思えたDOUBLEでしたが、『Crystal』のリリース直前に姉のSACHIKOがくも膜下出血で急逝。以降はTAKAKO一人のソロプロジェクトとして活動していくことになります。深い愛情を一心に捧げるミレニアム発のこのバラードは、「Okaeri」や「SPRING LOVE」などと並ぶ忙しい心のオアシス。
Driving All Night(2002)
2002年には、「Shake」の今井了介と再びタッグを組んだシングル作を発表。A Taste Of Honeyの「Boogie Oogie Oogie」をサンプリングした爽やかなアップトラックは、美麗に歌い上げる従来のイメージをいい意味で裏切る痛快なものでした。
Who’s That Girl(2002)
「一緒に歩いてた子、誰やねん?」とモヤモヤを吐露するリリック、チキチキサウンド、そしてファッション……これぞ、Y2Kの真髄!フェロモンたっぷりの歌唱で2025年の今現在も輝き続ける、カリスマティックな名曲です。
Rollin’ on(2003)
2002年から2003年にかけてのDOUBLEはR&Bのみならず、日本のヒップホップ・カルチャーにも横断的に影響を与えるアーティストとして全盛期を迎えていました。その精神の最たる成果が本作ではないかと。シンプルながらゾクゾクするフレージングで織りなす強烈なフロアアンセムです。個人的には、サビで開幕する「同(radio edit)」の方が好み。
Betcha(2003)
「Strange Things」の世界的ヒットは、R&Bに対するDOUBLEの姿勢を踏まえるか否かで捉え方が変わる事象かと思います。品行方正に、哀愁ある表現にこだわり続けてきた彼女だからこそ、遅かれ早かれ”見つかっていた”ーーそんな必然性すら、僕は確信するのです。願わくは、本作のような一層ウェットなスロウにもスポットが当たってほしい。まだまだあるんです、こんなにも優美な名曲が。
Call Me(2006)
ラテンな「ROCK THE PARTY」を経て繰り出された13thシングル。構成は「Rollin’ on」を彷彿とさせる前のめり仕様ですが、前作の影響かほんのりエキゾチックなムード。熱気ほとばしる攻めのR&Bを体感したいなら迷わずアクセスしてください。
残り火 -eternal BED- (2007)
デビューからの10年を締め括ったのは、初心に返ったように儚げな歌声で聴かせる失恋ソングでした。タイトルが示す通り「BED」の続編的な位置付けとなっており、同曲の印象的なフレーズをセルフ本歌取りする形で採用。制作は当時、EXILEの「Lovers Again」が好評を博した松尾潔とJin Nakamuraのコンビ。
BLACK DIAMOND (2008)
安室奈美恵にDOUBLEがラブコールを送る形で実現した、空前絶後の歌姫コラボ。最近ではオーディションプロジェクト『No No Girls』の審査課題曲の一つに起用されたことでも話題を呼びました。個人的には、当時アメリカで台頭し始めていた4つ打ちのエレクトロサウンドをいち早く日本で取り入れ、そして大いに成功した楽曲という印象。
Tattoo (2011)
5thアルバム『WOMAN』に収録。張り詰めたサウンドとオートチューンで加工されたボーカルで構成され、DOUBLEのキャリアの中でもとりわけミステリアスな趣。これもまた、当時の旬なアプローチを彼女が独自に落とし込んでのものでした。