ソウルフルな歌声で注目を集める福原美穂の1stアルバム『RAINBOW』。昨年リリースしたシングル4枚のシングルや、UKのソウルシンガーCorinne Bailey Rae作の楽曲を含む全12曲収録です。
収録曲は、数々のFM局でパワープレイを獲得したデビュー曲①『CHANGE』、アギレラっぽい気張ったボーカリゼーション全開の2 SOULプロデュースによる軽妙FUNKチューン③『Lose Control』、「アジエンス」の新CMソングとしてオンエアされている冷ややかなトーンのバラード④『雪の光』、スコットランド出身のシンガーソングライターSandi Thom関与の自然体なサウンドが気持ちよいギターポップ⑥『ON TOP OF THE WORLD』、泡沫的な内容が涙を誘う重厚バラード⑦『ひまわり』、一転して晴れやかに歌うハッピームード一色の先行シングル⑧『LOVE~winter song~』、ファルセットを多用したHookが秀逸の落ち着いたアコースティック・スロー⑩『ドリーマー』、参加したCorinne Bailey Raeのオーガニックな音楽性がフルに反映された濃密ヒーリング・ナンバー⑪『ICE&FIRE』、そして夢を追う強固な意志と決意を歌った名曲⑫『優しい赤』など。
粋なR&B/SOULから明快なPOP/ROCKまで多彩な音楽に挑んだ、1stアルバムらしい幅の利いた内容になっています。ただその分、彼女の目指す方向性がますます不透明で判然としないものになったような気がして、正直困惑してしまいました。確かに歌声やライティング能力からは彼女の希代の資質をひしひしと感じるわけですが、肝心である曲のテイスト・コンセプトに激しいばらつきがあるので、その才能を味わうのに集中しきれないんですよね。制作側がそうした意図は理解できますし、佳曲も多いんですけど、少し惜しい。
福原美穂『RAINBOW』(2009/01/28)
1. CHANGE
2. ANYMORE
3. Lose Control
4. 雪の光
5. Everybody Needs Someone
6. ON TOP OF THE WORLD
7. ひまわり
8. LOVE ~winter song~ (album version)
9. Getting There
10. ドリーマー
11. ICE & FIRE
12. 優しい赤