JAPANESE R&B

絶対に押さえたい2023年上半期のJ-GROOVE50選

早いもので2023年も折り返し。今回はそのおさらいとして、ジャパニーズR&Bやシティポップなどの作品を対象に「絶対に押さえておきたい楽曲」計50曲をピックアップしてご紹介します。作品レビューを適宜掲載しているほか、記事の最後には150曲からなる総括プレイリストも用意していますので、合わせてお楽しみください。

※レビュー文は過去の「JBSGROOVE WEEKLY」記事から一部引用しています。

JBSGROOVE選 2023年上半期の50曲

No.50:春野「Like A Seraph」



No.49:YOUYA「Band-Aid」



No.48:杉山清貴「Nightmare」



80年代を中心に数々のヒット曲を飛ばした杉山清貴。3年ぶりのオリジナルアルバムからのリード曲となる本作は、月蝕會議のギタリストBilly Takakuraを招いたメランコリックなミディアムナンバー。スタッカート強めなボーカルと主張しすぎない演奏の清らかなアンサンブルが、ベテラン然とした重厚なシティポップ観をしかとアピール。

No.47:BUDDiiS「Magic」



「EBiDAN」内で結成されたダンス&ボーカルグループ。エッジの効いたサウンド、誘惑的なハイトーン、いずれも突き抜けるような清涼感があって彼らのキャラクター性にもぴったりハマっている。そして、UTAのバリエーション豊かな腕前をあらためて崇め直すことに。

No.46:Skoop On Somebody「Coming 2 you」



ケツメイシ「夏の思い出」のサンプリングなど意外性ある手法にも取り組んできたS.O.S。2023年第一弾シングルとして送り出された本作では彼らのデビュー時期ともリンクする流麗な90年代サウンドを採用。「Over & Over」を彷彿とさせるイントロからしてロマンチシズム全開で、至高のひとときが味わえるかと。

No.45:Kaoru Tominaga, ZIN, Sho Asano「I Wish U We re…」

No.44:Vela「Story」

No.43:大和田慧「甘い予感」



何気ない日常に彩りをもたらす存在として特筆すべきアーティスト、大和田慧。古内東子やSAKURAら、レディ・ソウルの先達を思わせる芳醇なファンクサウンドに乗せ、デビュー10周年を経て一層輝きを増した歌と言葉が溌剌と舞い踊る。

No.42:EXILE ATSUSHI「フォトグラフ feat. 東京スカパラダイスオーケストラ ホーンセクション」



今年の高校野球応援ソングとして書き下ろされた一曲。ただでさえスケールの大きな演奏が、ATSUSHIの抑揚豊かなボーカルによって際限なく広がっていくという満足度の高い構成。そして、とにかく美メロ。

No.41:Sexy Zone「Cream」



潔いまでのiriテイスト。正直、彼女が歌っても十分成立するはず。ただ同時に、溢れんばかりの活気とさり気ない色気の表出が、彼らが自分たちの音楽として巧みに消化した事実を雄弁に物語る。近年の冒険的な作品群を鑑みても優秀な出来。

No.40:Penthouse「Live in This Way」



シティ・ソウルバンドの1stフルアルバム『Balcony』よりゴスペルムード満点のアップナンバー。高らかなクワイヤや小気味よい鍵盤プレイなど、ありとあらゆる要素が享楽の極致へ向けてひた走る気合の入りよう。浪岡真太郎の自由気ままなボーカルもいつにも増して清々しい。

No.39:Aile The Shota「Fancity (feat. Soulflex)」



No.38:eill「WE ARE」



No.37:Awesome City Club「Talkin’ Talkin’」



No.36:Emerald「楽園」



楽曲自体はメロディアスなAORを志向しているものの、天地がひっくり返ったように忙しないキーボードのフレーズをはじめ混沌とした要素が多く、何かが引っかかる。無論、それが重層的な妙味を生んでいるわけだけど。

No.35:BRADIO「運命へ」

およそ2年ぶりとなったアルバム『DANCEHALL MAGIC』に収録。かねてのイメージを裏切らないご機嫌なファンクナンバーが次から次にお目見えする中、作品終盤で感動的な人生謳歌を掲げるのがこちら。高らかなボーカルと迷いのない歌詞など、大団円と呼ぶにふさわしい人情味あふれるファクターに泣かされること請け合い。

No.34:林 和希「Wow」



DOBERMAN INFINITYのボーカリストKAZUKIがリリースしたソロアルバム『I』より、艶かしいプロダクトが精彩を放つR&Bを。サウンドの装いだけでなく、レイドバックやフェイクといった技巧面にもR&Bへの深い敬愛が息づく、まさしく渾身の一曲。

No.33:FLEUR「Pool (feat. NF Zessho & FKD)」

No.32:PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE「TO THE TOP (feat. DVI)」



No.31:植城微香「drive」

No.30:Nozomi Kitay「Sorry」

まだ知る人ぞ知る存在のシンガーではあるものの、現行意識のR&Bトラックと糖度高めなボーカルからは傑出した魅力を見出さずにはいられない。是非とも下半期、ネクストブレイクを。

No.29:Little Glee Monster「WONDER LOVER」



めくるめく新装開店感。特にmiyouの存在感はピカイチで詠嘆待ったなし。

No.28:Snow Man「slow…」



No.27:清水翔太「Memories」

No.26:RUNG HYANG & illmore「Floater」

ビートメイカーのillmoreとの初タッグにして、双方の甘美なセンスが最高レベルで融和した名作。アーティストによってはディープなメイクラブを採用してもおかしくないムーディー仕様のトラックを、RUNG HYANGはいつも通り、自分らしく生きる大切さを伝えるデバイスとしてカジュアルに乗りこなす。後方に抜けていくような歌唱表現も、ライトなテイストに一役買っている気がする。

No.25:Re:ally「Noticed」



この感じが好きな人、とても多いのでは。歌っているのは、avex artist academyから選抜された受講生=アーティストの卵3名。畑中ikkiら名うてのサポートがあるとはいえ、このクオリティにはいささか驚かされたな。もっと知られるべきだし、もっと曲が聴きたい。

No.24:ひかりとだいち love SOIL&”PIMP”SESSIONS「eden」



満島ひかりが設立したレーベル「Rhapsodies」の第一弾作品。幼なじみの盟友、三浦大知を迎えてほぼユニゾンで戯れるそれは、音楽を心の底から楽しむ両者の無垢な素顔を驚くほど如実に映し出す。ラスト1分半の見せ場も含め、生気に満ち満ちたプレイングを披露するSOILの表現にもドキリとさせられる。

No.23:01sail &reina「Next Lifetime」

バキバキのNJSを小細工なしで拵え、そのうえ当時のスムースな空気感まで再現度高くパッケージしていると来れば、こちらは素直に玩味し、多福を噛み締めるまで。色んな意味で流暢なreinaの真髄を確かめるのにも持ってこいかも。

No.22:MAINAMIND「I Can’t Stop Loving You」



一にも二にもサビが出色。浮遊感たっぷりのファルセットを多用するハートウォーミングなボーカルと、90年代オリエンテッドな硬質ビートが交錯するこの思いがけない心地よさよ。

No.21:GOOD BYE APRIL「TRANSIT IN SUMMER」

No.20:BananaLemon「BESTY」



結成8年目にして初となるEP『BESTY』のタイトルトラックは、UNI-QreativesやYui Muginoらクリエイターのセンスが炸裂するポップな友情ソング。ガールクラッシュを地でいく普段の強靭な佇まいを適度に破りつつ、スマイリーな作法を三者三様でスタイリッシュに表現する隙のなさが圧巻。

No.19:LMYK「It’s so fun」

ドイツと日本をルーツに持つ女性シンガーソングライターの1stアルバムより。特筆すべきは、Jam&Lewisがプロデュースにジョインしている点。そよ風よろしく優しく耳を撫でる歌声を最大限生かす格好で、滋味のあるスロウトラックを提供している。

No.18:SIDEDISH「Umbrella」



No.17:米津玄師「LADY」



純真無垢に気持ちを伝えるリリックも、mabanuaが関与したビタースウィートなアレンジも、全てが日々の営みと地続きにある安心クオリティ。前作「KICK BACK」からの振り幅も含めてセンスフルで好き。

No.16:井手綾香「いいじゃん」

No.15:tonun「Friday Night」



No.14:I Don’t Like Mondays.「Mmm…」



SPiCYSOLらと時代を同じくしてバンドサウンドと打ち込みの融合に意欲を燃やしてきた彼らだが、タイトな音遣いと言い落ち着いたトーンのボーカルと言い、チルを源流とした現行ヒップホップ/R&Bの表現がここへ来て凄まじい。くわえて、しっかりセクシーにもキマる。それがアイドラのカッコ良さ。

No.13:Kidella「Pacific Line」



No.12:LAGHEADS「またね (feat. HIMI)」

数多のアーティストのライブやレコーディングを請け負ってきたミュージシャンたちによるバンド、LAGHEADSの2nd EPに収録。前作にも参加のHIMIを迎えたスロウなソウルナンバーで、”いやし”の三文字を即座に覚えるミックスボイスと悠然たる演奏が卓越したケミストリーを発揮。

No.11:aimi, EMI MARIA & Modesty Beats「How’s The Weather?」



R&Bを通じて高らかに共鳴し合う女性シンガーたちの風雅なコラボレーション。浮かんでは滲む愛らしいサウンドに乗せ、個々の鮮やかなボーカルが日常の憂鬱をサラリと受け流す。チルアウトにあやかった今様の楽曲群ともまた違う、精神的な成熟度に裏打ちされた軽やかさが魅力の一曲。

No.10:Kwami「Neon」



幻想的な風景描写に誘われ、気が付けば鑑賞に耽っていた楽曲。Kwamiは福岡県を拠点にしているR&Bシンガーで、比較的寡作でありながらネオソウル、ゴスペル、オルタナティブR&Bと多様な形でメロウを体現する注目株。

No.9:3House「BLUE」

No.8:安田レイ「Sunday Morning (feat. VivaOla)」

No.7:XG「LEFT RIGHT」



No.6:YONA YONA WEEKENDERS「眠らないでよ feat. 原田郁子」



日常にそっと寄り添う彼らの真骨頂とも言える一曲だが、本作を秀逸たらしめているのはなんと言っても原田郁子(クラムボン)とのコンビネーション。エアリーな原田の歌声とファルセット混じりで対峙する磯野くんが織り成すハーモニーは、思わず息をのむほどに感動的。

No.5:NOA「Just Feel It (feat. Ayumu Imazu)」



NOA初のフルアルバム『NO.A』の目玉として送り出されたAyumu Imazuとのコラボ作(楽曲リリース自体は2022年12月)。歌って踊れるZ世代同士の共演も、サウンドやトップラインでの意図的な王道感の演出も、近年のJ-R&B界隈ではなかなか新鮮に作用していた気がする。MVで繰り広げる倉庫でのダンスシーンは、Chris BrownやUsherら先達も享受した華麗なる様式美。

No.4:林 和希「そうじゃないの」

彼のソロデビュー作において、個人的にもっとも食らったのがほのかに歌謡曲香るこの曲だった。メロディの美しさがずば抜けているし、それを引き立てんとする安穏のアレンジも目覚ましい。さらには過去の恋に未だ翻弄される語り手の哀愁を抑揚豊かに魅せる辣腕と、本作の集大成とでも言うべき品の良さにあれよあれよと心を掴まれてしまった次第。

No.3:Sincere「Keeps Beating」



最新EP『Just Living』のオープニングを飾る春めくダンスチューン。2ステップを主軸としたY2Kオリエンテッドなサウンドが、懐かしさと洗練された煌めきを同時に運ぶ超優秀ファクターとして楽曲を支えている。こんなにポップな曲調にもフィットするとは、稀代の美声が持つポテンシャル、恐るべし。

No.2:SIRUP「FINE LINE (feat. Skaai)」



いつの時もチャレンジを止めないのが彼。『BLUE BLUR』収録楽曲はどれも捨て難いのだけど、UKガラージ/2ステップの世間的機運やSIRUPがそれを表現することの新鮮味がマッチして、とてつもなく刺激的なグルーヴを生んだ。もはや”踊らせる”というアクトの促進においては他の追随を許さないほど完成されている、彼。

No.1:Furui Riho「ピンクの髪」



持ち前のチャーミングな魅力を炸裂させるA.G.Oプロデュース作。自らの趣味嗜好を愛おしむ最大級の自己肯定ソングにして、他人を上から目線で評価する行為へのアンチテーゼも忍ばせたスパイシーな仕上がりになっており、彼女らしい”明け透けさ”が痛快なまでに存在感を発揮。下半期もFurui Riho然としたおてんばぶりに期待しております。

プレイリスト「2023年上半期 / J-GROOVE」

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