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yama『麻痺』黒人音楽からの影響目覚ましい1st EP

昨年、飛躍的なブレイクを果たしたyama。隆盛を誇るネット発シンガーの中でもとりわけ幻想的な歌声を有し、ミステリアスなビジュアルも相まってすでにただならぬ存在感を湛えている。

そんなyamaの特筆すべき要素が、ブラックミュージックの影響が色濃く現れたサウンドアプローチ。従来は「クリーム」などの楽曲でくじらがそのテイストを牽引していたが、メジャーデビューを機に主要クリエイターがTOOBOEにバトンタッチしても軸はブレることを知らず、1st EPとなる本作『麻痺』でもメロウな技巧がふんだんに振るわれている。

粒揃いの収録曲の中であえて白眉を挙げるなら「クローバー」と「ブルーマンデー」。前者はブラスのループや90年代オマージュがうかがえるリズム、後者はスクラッチにブルージーなコード進行と、それぞれがR&Bやヒップホップの手法に基づいて展開される。もっとも、メロディラインには歌謡曲特有のエモーショナルな成分が潔く注がれ、yamaのハイトーンボイスが気持ちよく映える最良の設計に。このあたりの塩梅が絶妙で、じつに心憎い。

アニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』のオープニングテーマに起用されている本作のリード曲「麻痺」は、自身の大ヒット曲「春を告げる」を連想させるボーカロイド流儀の高速アップ。しかしこの曲でさえ、臨場感あふれるジャズアレンジが用意されるという周到ぶりで、yamaをクールにアピールしていかんとする制作側の気概がはっきりと見て取れる。エレガントな美声を武器に、今後もR&Bファンへの積極的な揺さぶりをお願いしたい。





yama『麻痺』
2021年2月10日発売

<収録曲>
1. 麻痺
2. クローバー
3. ブルーマンデー
4. タルト
5. 麻痺 (Jazz Arrange Ver.)

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