JAPANESE R&B

【アルバムレビュー】mochA 『mochA Presented By Electreet』

黒木メイサや三浦大知らの作品で知名度急上昇中の女性シンガーソングライター、MOMO“mocha”N.ことmochAの配信アルバム『mochA Presented By Electreet』をレビュー。収録曲のすべてを、これまで二人三脚で楽曲を制作してきたU-Key zone氏がプロデュースしています。

1. black■box
iTMSの「今週のシングル」にもセレクト(既に無料期間は終了)された、怪しさ全開のフロアバンガー。
Cassieの「Me&U」を彷彿させる浮遊感あるトラックと、かのMICHICOを踏襲したような粘着質なこぶしを効かせたボーカルには、一度ハマれば最後、中毒に陥ること必至です。その稀代の節回しで迫る「何を隠してるの?」のフレーズがいやにスパイシー。

2. Sugar Daddy Feat.Da Girl
巧妙に言い寄る男性に対し、「あんたなんかいらねーよ!」と突っぱねる、挑発的で覇気のあるミドル・アッパー。起伏のないメロディーラインは時代錯誤感が否めませんが、艶っぽいフェイクを終盤でガンガン輝かしているので、寧ろツボです。

3. Stop It
一方で、素性のよく分からない男性にダメだと分かりながらもハマっていく女性の心模様を軽妙に綴った1曲がこちら。「悔しくなるほどちょうどイイ」「なんだかすごく気持ちいい」など、刺激的なフレーズを惜しげもなく散りばめた今作ですが、トラックの方が、2曲目「Sugar Daddy」にぶっといシンセ音を加えただけのような新鮮味のない印象だったので、ちょっぴり残念。切れの悪いリリック割りも、グルーヴ感を半減させてる気がします。

4. Clueless
出だしの「アッアッアックルーレス」のコーラスから、一気にその泡沫的な世界に引き込まれるオリエンタル風情溢れるスローチューン。U-Key zoneお得意の哀愁がかったメロディーラインが、mochAの情感こもった歌声と優しく絡まり合う様は絶品です。

5. DNA☆
エスパーな彼とのラブラブぶりを歌う、本作中最もぶっ飛んだ作風の弾力あるアップナンバー。前の4曲がかなりシリアスな流れを作っているため、180度違うテイストの今楽曲に、仰天される方もおられるかもしれません。俺もまさかここに来て、「マイダ~リンはAILEN!」なんて突飛なフレーズが飛び出すとは思ってもみませんでした。でもその割に声質にも見合ったキャッチーな内容なので、好印象です。黒木メイサあたりが歌っても違和感なさそうだなぁ~。

6. Lonely City

ラストはミリヤ並みにかまってちゃん体質のフレーズがHookを占拠する、静泰さ渦巻くミディアム。
目を伏せたい偽りという名の「リアル」を、彼女がごく自然体な歌唱でなぞり上げているので、そのしつこさ余るリリックに反して、感情移入はしやすいかと思います。ウェービーなシンセ音が、幻想的な空気感を尊重してて尚良し。

以上、全6曲収録のミニアルバムです。兼ねてからリリシストとしての才能に長けている彼女だけあって、リリックの世界観は申し分なし。加えてU-Key zone氏が、現在の日本市場を完全に無視した本物志向のトラックディレクションを徹底してくれたおかげで、サウンド的にも十二分に満足出来る、ハイレベルなR&B盤に仕上がっています。声も独特の「うねり」があってかなり好みです。ここまで色々振り切ってくれると、配信限定なのが勿体なく感じてくるんですが、逆に配信じゃなければ、ここまで堂々とR&Bを歌う事はままならなかったかもしれないですね。

ちなみに本業であるライター業では、明日リリースの安室ちゃんのニューアルバム「PAST < FUTURE」収録の「The Meaning of Us」と、来年の元旦リリースの黒木メイサのミニアルバム「ATTITUDE」に、相棒であるU-Key zone氏と参加している事が判明しております。これを聴いた後だと、同じくU-Key氏が全曲プロデュースした「ATTITUDE」の出来が俄然楽しみに思えてきますよ!是非チェックしてみてください。

『mochA Presented By Electreet』(2009/02/02)
1. black■box
2. Sugar Daddy Feat.Da Girl
3. Stop It
4. Clueless
5. DNA☆
6. Lonely City

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