EXILEのニューアルバム『愛すべき未来へ』をレビュー。今年リリースされたシングル3枚を含む、全15曲収録です。初回限定盤にのみ、クリスマス・アルバム「EXILE CHRISTMAS」が付属しています。
まずは本編から。14人になって初めてリリースされたエグキャッチー全開のシングル①『Someday』、「YES!」路線のポジティブさ全面押しによるポップナンバー③『Your Smile』、イントロに新たにギターのアルペジオが挿された昨年のヒット曲⑥『Ti Amo』、⑤と同じ松尾潔とJin Nakamuraの共作による月9主題歌⑦『ふたつの唇』、ファルセットを惜しみなく多用した甘く切ないミドルアッパー⑧『A leaf ~螺旋状のサヨナラ~』、春川仁志製の艶のあるR&Bサウンドに彩られたウィンターミディアム⑨『Heavenly White』、「ストリートファイター ワールドプロジェクト」のテーマソングに起用されたエッジーでエネルギッシュなアップ⑩『THE NEXT DOOR』、T.Kura/michico夫妻お得意の和情緒溢れるR&Bダンサー⑪『FIREWORKS』、元J Soul BrothersのSHOKICHIとNESMITHがボーカル参加している温和なスローチューン⑬『Angel』、荘厳なクワイヤーを迎えゴスペルを強く意識したATSUSHIソロ曲⑭『forever love』、そして演劇集団「地球ゴージャス」とのタイアップでも話題の、シリアスな内容を優しいアレンジで包容した歌謡バラード⑮『愛すべき未来へ』などなど。
相変わらずソツなく展開される彼ら独自の「エンターテインメント性」には目を見張らされましたが、既発曲を詰め込んだ事によって生じた「ボリューム感」だけが独り歩きしていて、肝心の新曲のクオリティが、どうも軒並み低いように感じました。ピンと来たのは⑨の「Heavenly White」くらいかなぁ。他のキャッチーさを押し出した曲はどれも同じようなテイストですし、いい加減この手の曲はネタ切れなのかも。ただ、SHOKICHIとNESMITHをボーカルとして起用してくれた点はナイスでした!LDHはもっとこの二人を推すべき。
続いて初回限定盤のみに付属している「EXILE CHRISTMAS」。こちらは、王道題材を全編アカペラでカバーした①『Silent Night』、アクセントにベルをあしらった唯一の新曲である4つ打ちポップチューン②『夢見るようなクリスマス』、TAKAHIROのグラグラ歌唱が際立つストリング主導によるリアレンジVer.③『Lovers Again』、アップテンポからスロー調へとマイナーチェンジが施された一昨年の冬うた⑤『I Believe』、失笑ものの日本語詞で歌う名曲カバー⑥『LAST CHRISTMAS』などなど。
本編同様、既発曲のオンパレードであまり期待はしていなかったんですが、クリスマス用にリアレンジしてくれていた分、こちらの方がまだ救いようがあるかもと思ってしまいました。昨年のベスト盤3枚の成功、そしてメンバー増員を経て、ますます商業的な自信を体得したようですが、何事も「ほどほどに」しておいた方が有り難みがあるというものです。
EXILE『愛すべき未来へ』(2009/12/02)
1. Someday
2. SHOOTING STAR
3. Your Smile
4. 優しい光
5. If ~I know~
6. Ti Amo
7. ふたつの唇
8. A leaf ~螺旋状のサヨナラ~
9. Heavenly White
10. THE NEXT DOOR
11. FIREWORKS
12. GENERATION
13. Angel
14. forever love
15. 愛すべき未来へ
<「EXILE CHRISTMAS」>
1. Silent Night
2. 夢見るようなクリスマス
3. Lovers Again
4. HOLY NIGHT
5. I Believe
6. LAST CHRISTMAS
7. 愛すべき未来へ(オルゴール・バージョン)