HIRO、ARATA、YUTAKAの3人からなるR&Bコーラスグループ・F.O.H(現Full Of Harmony)の1stアルバム。彼らとは切っても切れない関係である今井了介をはじめ、ZEEBRA、Kasaun ”Keyz” Henry、DJ BEATらが制作に関与した全16曲です。
プロデュースを今井了介が、リリックをZEEBRAが担当した独特の疾走感を放つ激情的なチキチキアッパー②『Typhoon』、R&Bの定期に則った流麗なハーモニーにブルージーなギターが絡む泥臭いミディアム・スロー③『TAKE IT SLOW』、ZEEBRA主催のUBGに所属するラッパーAKEEMを客演に迎えた奇異な味わいのピアノフレーズが特徴の極エロフロアナンバー⑥『裸踊夜~ラ・トーヤ』、洋クラシックに顕著に見られるポップで和気藹々とした情緒を目いっぱい含んだポジティブなメジャーデビューシングル⑧『BE ALRIGHT』、今井了介同様FOH作品ではお馴染みのKasaun ”Keyz” Henryがプロデュースした、コーラスワークが秀逸すぎる色香高きスムース・ミッド⑩『BABY』、これまで数々のサントラやアーティスト作品を手がけてきたコンポーザー・大谷幸演奏によるドラマティックなピアノに陶酔必至のブルース⑪『Destiny』、久保田利伸っぽく躍動するHIROのボーカリゼーションにも注目のDJ BEATプロデュースによるリズミックな重厚ナンバー⑫『DAYS』、FOHならではの表情豊かなコーラスをとくと堪能できる正統派ロスト・ラブソング⑭『Can You Feel My Love』、そしてゴスペル・フレーヴァーも散りばめたピアノ主導の濃密バラッド⑯『KEEP IT REAL』などなど、彼らの織り成す極上のコーラスワークと、そのルーツを満喫出来る1枚です。
特にSkit⑨を挟んだ⑩からのミッド&スローナンバーオンパレードの流れは、R&Bファンにはたまらない構成といえそうです。前半アゲて後半チルめっていう、この言わば王道ともいえる楽曲の棲み分けっぷりがまた絶妙なわけですよ!特にKasaun Henryが、コーラス・アレンジメント面でもいい仕事してます!メジャーデビューしてからもうすぐで10年が経とうとしていますが、現行のジャパニーズシーンでここまでR&Bを消化し尽くし、かつオリジナリティを織り交ぜ磨き上げられたハーモニーを轟かす事が出来るのは、やはり彼らしかいないんじゃないかと思っています。
F.O.H『Full Of Harmony』(2000/08/23)
1. Introduction
2. Typhoon
3. TAKE IT SLOW
4. STRONG EMOTION
5. Interlude~Welcome to Street Side~
6. 裸踊夜~ラ・トーヤ feat.AKEEM
7. WHAT YOU WANT
8. BE ALRIGHT(Album Version)
9. Interlude~After Party~
10. BABY
11. Destiny
12. DAYS
13. Interlude~Crazy For You~
14. Can You Feel My Love
15. IN MY LIFE
16. KEEP IT REAL