JBSGROOVEが毎週お届けする新譜系レビュー&プレイリストプロジェクト、それが「JBSGROOVE WEEKLY」。日々リリースされる邦楽の中でとりわけグルーヴィーな、あるいは是が非でもチェックすべき楽曲を、JBSGROOVEならではの視点から厳選してご紹介します。また、プレイリストの内容をもとに、新着楽曲などをレビューでもピックアップ。週ごとにアップデートされるときめきと刺激をお楽しみください。
Apple Music版「JBSGROOVE WEEKLY」
<今週のピックアップ>
宇多田ヒカル「Gold 〜また逢う日まで〜」
「One Last Kiss」「君に夢中」に続くA. G. Cook関与作。ピアノ主体の静謐なムードから一転、ハウスな流れが到来する抑揚ある構成は、「BADモード」などでも見られた鮮やかな意匠。歌詞についても宇多田らしい俗的なセンスが光るが、本作きってのインパクトに相当する<おととい来やがれ>の箇所をはじめ、独特なハモが言葉の躍動を後押ししている事実はしかと特筆しておきたい。
ゴスペラーズ「Summer Breeze」
Penthouseの浪岡真太郎と大島真帆が提供した、新EP『HERE & NOW』の先行リリース曲。ゴスペラーズの作品特有ともいえる甘やかなボーカルワークと、AOR風味のサウンドから薫る爽快感の両立が絶妙で、インドアでのリピートがついついはかどりそうな予感。
Ashely「Mirror (feat. CYBER RUI)」
次世代バイリンガルシンガーとして注目されるAshelyの新作は、関西のラッパーであるCYBER RUIを迎え、未だかつてないストロングスタイルで突き進む。半ば攻撃的に鼓舞するリリックを巻き取るように終盤で一気に激しさを増す展開が秀逸で、ジャージー・クラブの有効活用、ここに極まれりといった印象。
為岡そのみ「最終兵器」
90年代R&Bに即したプロダクトに歌謡曲的な展開を織り混ぜ、徹底して情念を追求するーー彼女の作品ではおなじみとなっている手法を、今や珍しくなった6分の長編スケールで描く。不穏さを増幅させるストリングスの響きにゾクゾク、そしてニヤニヤ。
▼前回のレビューはこちら。