FreeTEMPOの半沢武志をプロデューサーに迎えた前作「COLORS」で注目を浴びた女性ボーカリスト・SAWAのニューアルバム『Time&Space』(08.12.10)。今作ではRAM RIDERをはじめとする、クラブシーンで活躍するプロデューサー5組が1曲ずつを担当した、贅沢な1枚です。
1.Stars
iTunes Storeで先行配信されていたリード楽曲。RAM RIDERによる鋭い音使いに痺れる、スペーシー路線一直線のハウスナンバーです。
2.Discover
クラブシーンの重鎮・福富幸宏による眩いクロスオーバー作品。奥行きのあるクリーンなサウンドは、まさに”夢心地”。SAWAの甘美ながらすっきりとした後味のボーカルともうまく絡んで、聴いてて本当に気持ちいいです。
3.メトロポリタン美術館
「みんなのうた」史に残る不朽のクラシックを、J-POPシーンにもその名を轟かせる中塚武が大胆にリメイク。SAWAの歌唱も楽曲の世界観にピッタリフィット。ポップの新機軸ともいえる革新的な1曲です。
4.Are You Ready For Love
オーケストラバンド・A Hundred Birdsプロデュースによる、温もりある生音で構成された全英語詞の1曲。快活なボーカルが映えます。
5.Space Travel
ラストは瀧澤賢太郎プロデュースによる、浮遊感半端ない正統派乙女ハウスチューン。
癖のあるコードが生み出す独特の味わいからは、中谷美紀の「Mind Circus」のそれと似たものを感じました。
以上5曲というミニアルバム仕様ながら侮るなかれ。現在のクラブ・ミュージックの魅力を余すことなく凝縮した粒ぞろいの楽曲が収録された、非常にカラフルで濃い内容になっています。そして彼女のボーカル!YUKIとチャットモンチーの橋本絵莉子を足して2で割ったような実力を伴った柔軟な歌声は、昨今のエフェクト必至のクラブ系アーティストとは確実に一線を画しており、魅力的です。これから活躍するクラブアーティストの一人として、抑えておいて損はないかと思います。