DANCE FLOOR

【アルバムレビュー】Perfume 『GAME』&『love the world』

あ~ちゃん、のっち、かしゆかからなる3人組テクニポップユニット・Perfumeの2ndアルバム。オリコン初登場1位を記録した今作は、ウィークリー7位を記録したヒットシングル「ポリリズム」をはじめとする3枚のシングルを収めた全12曲収録です。

収録曲は、ポリリズム=奇数連符を駆使し唯一無二の世界観を放つ奇跡の出世作①『ポリリズム』、彼女ら持ち前の可愛らしさを最大限に昇華してみせたスタイリッシュ・ビートの効いたさわやかアッパー②『plastic smile』、鈍い電子音が大活躍するアルバムタイトルチューン③『GAME』、キャッチーな内容により新たなファン層を開拓したメロウダンサー④『Baby cruising Love』、バレンタインデーをモチーフにした非常に中毒性の高い新世代エレポップ⑤『チョコレイト・ディスコ』、終始モワモワしたのどかな空気が漂うハートウォーム・ミディアム⑥『マカロニ』、cupsule色全開の華々しいシンセが舞うリズミックアッパー⑦『セラミックガール』、②同様にメロやボーカルから女の子特有の気難しい甘さがジンジン伝わるガーリーなポップ・チューン⑨『シークレットシーレット』、ピコピコサウンドがなだらかに昇降する禁断のエレクトロニカ⑩『Butterfly』、そして生々しい音を鳴らすドラムと浮遊感タップリのシンセ音を融合させた4つ打ちキラキラナンバー⑫『Puppy Love』などなど。

彼女らの持つ新世代キャパシティーが、中田ヤスタカの燦々とした音世界の中で大爆発を引き起こす、先進性に長けた素晴らしいアルバムです。ブレイクした「ポリリズム」以前から、時代に気後れすることなく革新的なエレクトロ・ポップをコンスタントに提示してきた彼女らですが、今作はその頃から徐々に培われてきた音楽に対する強い意志と、方向性の指針とが最高の形で定まり纏まった、言わばPerfume+中田氏の集大成とも呼べる1作だと思っています。 1人の編み出した気高い沸点を何度も何度も振り切って大暴れする3人の驚くべきケミストリーのすべてがココにある!

『GAME』(Amazon)

Perfume『GAME』(2008/04/16)
1. ポリリズム
2. plastic smile
3. GAME
4. Baby cruising Love
5. チョコレイト・ディスコ
6. マカロニ
7. セラミックガール
8. Take me Take me
9. シークレットシークレット
10. Butterfly
11. Twinkle Snow Powdery Snow
12. Puppy love

love the world(初回限定盤)(DVD付)
そして、先日予定していたレビューで触れられなかったニューシングル『love the world』(2008/07/09)にも少し触れておきます。

タイトル曲は、Perfume史上最も身近に感じる爽やかテイストのテクノ・ポップ。
うんとキャッチーに味付けされた旋律は、ファンの方たちの間では賛否両論なようですが、もうこれほとんど原点回帰みたいなものですからね~全然良い!リリックも小悪魔的ないじらしさがあってたまんねー!「チュチュチュ」のフレーズを聴いて即悩殺されました。カップリングの『edge』は、「だんだん 好きになる 気になる 好きになる・・・」というループに見事ゲシュタルトが崩壊した中田氏お得意のブリブリエレクトロ。こちらは1曲目とは対照的に閉鎖的な空気ムンムンなわけですが、個人的には、やっぱ1曲目のほうが好みかな。こういうくだけた爽やかチューンがもっと聴きたいわぁ~。

『love the world』(Amazon)

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