ここ数年、脚光を浴び続けている2000年代の音楽。日本のR&Bにおいても例外ではなく、近年ではDOUBLEの楽曲「Strange Things」がTikTokで注目され、ストリーミングの再生回数を伸ばす現象が起きたことも記憶に新しいところです。今回はそんなY2K(2000年〜2004年)のジャパニーズR&Bの中からマストで押さえるべき楽曲を厳選してご紹介。歴史を作ってきたポピュラーな名曲盛りだくさんなので、J-R&B入門としてもぜひご活用ください。
DOUBLE「Who’s That Girl」(2002)
「Strange Things」のバズでジャパニーズR&Bに追い風を巻き起こしたご存じ”Queen of R&B”。独特の緩急を持つリズム、魅力的なトップライン、そして浮気現場を目撃した女性の悲痛な心情を描いたリリックと、どこを取ってもみずみずしいまでのY2Kクオリティ。
Crystal Kay「hard to say」(2002)
DOUBLEと並んでY2Kヒットを多く抱えるCrystal Kay。特に本作や「Ex-Boyfriend」「Candy」といったティーンならではの繊細な楽曲を送り出した2000年代前半は、彼女のキャリアハイと呼ぶにふさわしいです。
平井堅「楽園」(2000)
1995年デビューの平井堅はなかなかヒット作に恵まれない中、背水の陣で挑んだ本作で見事大ブレイク。江角マキコ出演のCMも話題を呼びました。2000年といえば様々な男性シンガーが台頭した年ですが、本作はまさにその象徴と言えます。
ゴスペラーズ「永遠に」(2000)
こちらは5人組ヴォーカル・グループ、ゴスペラーズの出世作。リード・ヴォーカルを担う黒沢薫の熱唱も話題を呼び、息の長いヒットを記録しました。編曲には、2000年代のR&Bシーンを席巻するヒットメイカー・Bryan-Michael Coxを起用。
m-flo「come again」(2001)
約40万枚のヒットを記録した21世紀最初のシングル作。2ステップを用いた軽快でいて切ないサウンド・ストラクチャーは、当時も今も革命そのもの。
EARTH「time after time(2000)」
安室奈美恵や三浦大知でおなじみ、ライジングプロダクションにかつて所属していた女性3人組、EARTHのデビュー曲。心をくすぐるスムースなトラックはクラブ・フリークからの人気も高く、リリースから2ヶ月後にはKICK THE CAN CREWのKREVAとMCUが制作に参加した同作の「HIP HOP SOULバージョン」がシングル化されるほど。
SOULHEAD「STEP TO THE NEW WORLD」(2002)
YOSHIKAとTSUGUMIの姉妹からなる北海道出身デュオのデビュー作。どちらともがメインを張れるからこその圧倒的な歌唱力で、多くのファンを獲得しました。現在はソロ活動が中心ではあるものの、2025年にYouTubeチャンネルを開設し、変わらぬ姿を見せています。
AI「E.O.」(2004)
2000年にメジャーデビュー後、Def Jam Japanへの移籍を経て2004年に発表したシングル。「Everything’s OK」を意味するタイトルからも分かるように、現代に続くAIのポジティブ精神が強く生きたパンチあるヒップホップ・チューン。
Sowelu「Fortune」(2003)
2002 FIFAワールドカップのテーマソングを歌うVoices of KOREA / JAPANのメンバーに邦アーティストとしてCHEMISTRYとともに選出されるなど、デビュー前から期待を一身に受けていたSowelu。通算4作目となるシングルは、SOULHEADのYOSHIKAが楽曲提供に携わったエレガントなミディアム。
清貴「The Only One」(2001)
日本テレビ系ドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』のテーマソングに起用され、スマッシュヒットを記録。当時10代だった清貴(現・天道清貴)のことを、広い声域とすこぶるテクニカルな歌唱を持つ新鋭として、当時はメディアがこぞってクローズ・アップしていましたっけ。
MISIA「ESCAPE」(2000)
みんな大好き国民的ディーヴァは、今やトレードマークとなったバラードと、意表を突いたタイトなクラブミュージックを乗り継ぎながら2000年代を邁進。中でも本作は、腰直撃型リズムとおどろおどろしいシンセの妙が楽しめる異世界系ヒップホップ・ソウルとしてあまりにも優秀。
Full Of Harmony「I Believe」(2004)
日本が誇る男性ヴォーカル・グループといえば彼ら。韓国映画『猟奇的な彼女』の主題歌として大ヒットした楽曲のカヴァーですが、HIRO、YUTAKA、ARATAの3人による重厚な歌唱が支持され、キャリアを代表する一曲に。
安室奈美恵「Put ‘Em Up」(2003)

SUITE CHIC以降、ヒップホップやR&Bを基調としたBガール路線を歩み始めた安室奈美恵。浮気な男を追い詰めるMICHICOのペンによる痛快なリリックも、Dallas Austinが手がける弾丸よろしく尖ったサウンドも、当時の音楽シーンではあまり見られないレベルの攻め方で熱狂するほかなし。
久保田利伸「Candy Rain」(2001)
本木雅弘主演ドラマ『水曜日の情事』主題歌。甘く美しい歌声と、心地良く揺らめくポップなサウンド感覚は、久保田利伸の真髄とも言うべきクオリティ。「Always Remain」「Our Christmas」などと並ぶ、2000年代前半の名曲です。
MINMI「Another World」(2003)
2002年のデビュー作「The Perfect Vision」がラジオのパワープレイを獲得していきなりの大ヒット。以降はレゲエやソカの作品で人気を博すMINMIですが、活動初期はR&Bをモチーフにした楽曲も数多く存在していました。Beyonceの某曲を思わせる豪快なホーンセクションが炸裂する本作なんて、Y2Kが育んだR&Bスタイルを地でいくイケイケぶり。
EXILE「New Jack Swing」(2003)
思わず笑ってしまうぐらいざっくばらんなタイトルと、その名に恥じないオーセンティックな再現。ZOOから受け継がれるDNAが爆発した孤高のダンス・チューン。
BOO「SMILE IN YOUR FACE (feat. MURO)」(2002)
MUROに存在を見出され2002年に本作でデビュー。山下達郎の「SPARKLE」をサンプリングした爽やかなトラックは夏の定番。2025年にはgb、土岐麻子、荒谷翔大の3名がカヴァーしたヴァージョンが配信リリースされています。
宇多田ヒカル「タイム・リミット」(2000)
「For You」との両A面シングル。GLAYのTAKURO(久保琢郎)、Rodney Jerkinsら異色の布陣が参加し、当時の流行を汲んだタイトなリズムのR&Bに。ヒッキーらしい芯を食った歌詞にも注目です。
HI-D「君がいるから」(2003)
Y2Kの代表的レーベルであるDef Jamの日本支社より2003年にソロデビュー。情感豊かなヴォーカルや心の機微を描き出すリリックに定評があり、不器用な男が恋人へ日頃の感謝を伝えるこのバラードも例に漏れず深い味わい。
DREAMS COME TRUE「24/7 -TWENTY FOUR/SEVEN-」(2000)
80年代からJ-POPの第一線でR&Bやソウル・ミュージックを表現してきたドリカム。とりわけ、ヒップホップ・ソウルの趣が芳しい本作は押韻も相まって小気味よさ全開。Zeebraが客演で参加した「club mix」も人気!
MICHICO「bounce baby」(2002)
安室奈美恵やEXILE、Crystal Kayなど、数多くのアーティストを縁の下で支え続けるMICHICOがシンガーとして放った意欲作。20年代に入り再びトレンドとなっているアトランタ・ベースに乗せ、大人の恋愛模様を緩急豊かに繰り広げます。
傳田真央「耳もとにいるよ… ~Ring the bells~」(2000)
クラリネット奏者の父とピアニストの母の間に生まれ、自身も音楽的素養を豊かに感じさせる歌唱力を持つ傳田真央。メジャーデビューを飾った本作は、遠距離恋愛をモチーフにしたキャッチーなミディアム・ソング。2009年には続編も発表されています。
EMYLI「Rain」(2003)

弱冠15歳でデビューを果たしたEMYLI。一時のCrystal Kayを思わせるティーンの切ない恋を歌った本作は、咆哮のようなフェイクから始まり、恐ろしいほど完成されたヴォーカルが終始にわたって魂を揺さぶります。のちにm-floのlovesで注目されたほか、E-girlsやMay J.へ楽曲提供を行うなど多彩に活躍。
加藤ミリヤ「夜空」(2004)
デビュー曲にしてBUDDHA BRANDの「人間発電所」をサンプリングするというイカつい離れ業をやってのけたのは加藤ミリヤ。こうしたヒップホップ的手法に加え、10代の痛々しい心情を綴ったリリックが若者を中心に支持され、2000年代後半以降はかなり強い影響力を誇ったアーティストでした。
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<掲載アーティスト>
久保田利伸、DREAMS COME TRUE、UA、米倉利紀、SPEED、Chara、露崎春女、DJ HASEBE、MISIA、宇多田ヒカル、嶋野百恵、DOUBLE、bird、ゴスペラーズ、Sugar Soul、平井堅、m-flo、CHEMISTRY、EXILE、Crystal Kay、michico、SOULHEAD、L.L BROTHERS、AI、Sowelu、加藤ミリヤ、安室奈美恵、Full Of Harmony、JUJU、Jine、宏実、三浦大知、JASMINE、清水翔太、EMI MARIA、cero、星野源、WONK、Kan Sano、G.RINA、小袋成彬、STUTS、iri、向井太一、おかもとえみ、SIRUP、藤井風、VivaOla、笠原瑠斗、TENDRE、Ayumu Imazu、さらさ、aimi、3House、林和希、Yo-Sea、XG、Nenashi and more…!

























