日本の男性R&Bグループのパイオニア・Full Of Harmonyのアルバム『ENERGY』。通算7枚目となるオリジナルアルバムで、トータルプロデューサーに、長らくFOHとの付き合いがあるAKIRAを迎えているほか、VERBAL、DABO、DJ WATARAI、UTA、BACH LOGIC、そしてTeddy Rileyらが客演/トラックメイカーとして参加しています。
収録曲は、m-floのVERBALを迎えた実質のリード曲で、ロッキッシュなギター音を駆使したエキセントリックなトラックがテンションを上げる①『E・N・E・R・G・Y feat.VERBAL(m-flo)』、シングル「G.O.O.D TIMES」以来に米の辣腕・Teddy Rileyがプロデュースした、濃厚ハーモニーが炸裂するスロー②『AROMA』、キャビンアテンダントとのコミカルな駆け引きを描いたリリックと抜かりがないボーカルディレクションが化学反応を起こす③『Happy Flight-客室乗務的淑女-』、『君に注ぐ白いMilk』といったきわどいフレーズを散りばめたR&Bの真骨頂といえるセクシーなミッド⑤『ル・ノアール~珈琲と私~』、トラックメイカーにDJ WATARAI、客演にDABOというゴールデンメンバーが競演したシンセ多用の爽やかフロア・チューン⑦『ウォーター・プルーフ・ガール(feat. DABO)』、小奇麗に纏まったトラックと彼女を褒めちぎる可憐なリリックが染みるチルアウト・ナンバー⑧『That’s why』、「どんな何気ない日々でもすべてが自分の軌跡」と誇り歌う姿勢に心打たれるAKIRA作のピアノベースバラード⑨『光』、その⑨にも通ずる他愛無い1日の素晴らしさを、「ララララ~」という軽やかなコーラスや口笛を交えて聴き手へラフに伝える⑩『my day』などなど。
先行シングルが一切ない完全オリジナル曲のみで構成されたアルバムながら、各楽曲が強烈な個性という名のカラーを放っている強力盤です。あの手でこの手で攻めてくるリリックやボーカルは勿論のこと、多彩なクリエイター陣を迎えてのトラック・アプローチの細部に至るまで、彼らの作品特有の大人の遊び心がふんだんに含まれており、デビュー10周年を目前にした彼らの、”R&Bアーティストとしての確固たる余裕”を感じ取れる傑作です。
Full Of Harmony『ENERGY』(2008/04/30)
1.E・N・E・R・G・Y feat. VERBAL(m-flo)
2.AROMA
3.Happy Flight-客室乗務的淑女-
4.はなびら
5.ル・ノアール~珈琲と私~
6.Mr.Lonely
7.ウォーター・プルーフ・ガール(feat.DABO)
8.That’s why
9.光
10.my day