JAPANESE R&B

【アルバムレビュー】Vlidge 『KICK☆STAR』

KyuとKiichiからなるボーカルデュオ・Vlidgeのニューミニアルバム。夏を意識した新曲4曲に、既発曲2曲をプラスした全6曲です。

1.Dynamo
ドッシリした重低シンセ音を敷いたコンテンポラリー・アプローチで送るアッパーチューン。
再始動後初となった前作『HIP POPs』の流れを軽妙に踏襲しつつも、いちR&Bアーティストとしての誇りもしっかりと心得た「初心忘れるべからず」のOPナンバーです。

2.Yes or Yes?
爽やかな恋愛模様を綴ったアクティブなリリックと光煌めくダンス・サウンドで、夏を目いっぱい表現してみせた潔いポップ・ナンバー。Mary.J.Bligeの「Just Fine」ソックリのシンセフレーズが登場します。

3.MUSIC
2人の最大の持ち味ともいえるクリアなハイトーンボーカルがHookで炸裂するミディアム・チューン。随所随所に盛り込まれた彼らのワンパクな遊び心はリリック内容と相まって、ほのかな「懐かしさ」として聴き手の心に響くはずです。

4.Last Talks~再会の花~
夏の終わりを思わせるアコギの淡いアルペジオと、無機質クラップ・ビートの取り合わせが独特の悲哀感を醸すやりきれないロスト・ラブソング。Kyu作の繊細なリリックを紡ぐ2人のハーモニーが切なくて尚胸を締め付けられます。

5.Summer Song 2008
ライブの定番曲というHP限定発売シングル『one sense』カップリング曲のRemix。客演にはレゲエクルーPOWER PLAYERZからCEE MONKEYとOZIKIを迎え、ラガ調にアレンジされた”Blidge”にて豪快に暴れてくれてます。

6.one sense remix
こちらはその『one sense』の1曲目のRemix。客演には一時期一世を風靡したダンスクルー・Panicrewからラップ担当のSSKが参加。第1章時の楽曲だけに、洗練されたグルーヴが深く息づくワン・アンド・オンリーの名曲です。

以上、前作同様ポップスとR&Bを独自の解釈で融合させた聴き心地抜群の作品です。個人的には昔みたくもう少し黒くてもいいんじゃない?と思うところもあるんだけど、これが今の彼らが自信を持って提示するスタンスなら、どこまでも応援していきますよ。

『KICK☆STAR』(Amazon)

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