JBS CHART

『JBS 2014年間チャート アルバム部門 TOP100』発表

【10位-1位】


No.10 First Album / tofubeats
アーテイスト、トラックメイカー、プロデューサーとマルチな才能を発揮するtofubeats。自身2作目、メジャーでは初のリリースとなったこのアルバムは、新世代クリエイターとしての意地とプライドが垣間見える独創的な仕上がり。ある意味、消費されゆく音楽という概念に対する最大の反抗というか、チームが一丸となって彼のオリジナリティを最優先で表現しにかかっている印象。これだけストイックに制作して、その結果スマッシュ・ヒットまでしちゃうんだから万々歳だよなあ。


No.9 LOVELAND / 加藤ミリヤ
デビュー10周年記念アルバム『MUSE』も21位にランクインした加藤ミリヤの7thオリジナル・アルバム。久保田利伸作曲の「One Night Only」をはじめ、至るところでメロディアスなR&Bに傾倒した形跡が見て取れ、活動初期に顕著だったストリート性を否が応でも思い起こさせられます。また、全体的に荘厳なトーンを尊重しているのも大きな特徴。特に、アンビエント的な情趣の効いた「冷静と情熱のあいだ」を初めて聴いたときの衝撃たるや、今なお忘れられません。


No.8 YEAH RIGHT / KAORU
こざっぱりとしたロックン・ロール「16歳のカルテ」にはじまり、けたたましい歌声の咆哮が楽しめる「Love Sick」、スパニッシュ・フレイヴァーをふんだんに盛り込んだ「ふたりのベラノ」など、本来のキャラクターと遜色ない情熱的な女性像を見事に表現し抜いたKAORU。若き精鋭ながら、その振り幅はすでにベテラン顔負けと言えるでしょう。おまけに「Don’t come back tome」のような王道のバラードまでしなやかにこなすなど、全方位型アーティストならではのソツなきアプローチがとにもかくにも凄まじい。


No.7 Love Naturally / 露崎春女
彼女ほどディーヴァの威厳を長らく保ち続けるアーティストが、ここ日本には果たしてどのぐらいいるのか。トレンドにも迫った前作から一転し、まさしく”THE R&B”と呼ぶにふさわしいエレガントなミドル・スロウを多く配置。派手な装飾こそありませんが、その分うっとりするような彼女の品性がクリアな形で落とし込まれ、まるで夢でも見ているかのような聴き心地。毎度毎度、名作をありがとうございます、歌姫。

No.6 Love Drugs / Yo∞Hey
静かに聴き浸れるソウルマナーのある音楽が好きだけど、やりようによってはメインストリーム系のR&Bもやっぱり捨て難い。そんなことをつくづく実感させられた、Yo∞HeyのEPアルバム。サウンドもヴォーカルも一切の手抜きを許さず、ただひたすらに自らの好きな音楽を全うする。カッコいいとはきっと、こういうことさ。もっとも、無料配信という珍しいリリース形態によって注目された感も決して否定できないので、彼にとってはある意味ここからが正念場かと。今年の試行錯誤にも引き続き期待しています。


No.5 #nofilter / CREAM
どうやら賛否両論飛び交っているようですが、僕は好きだな、彼らのポップ・センス。こと本作に関して言えば、飾らないメッセージ性を高々と掲げる「#nofilter」、m-floの「How You Like Me Now?」ネタを潜ませた「Nobody」、本格的なトラップ・サウンドをご自慢のパーリーモードで消化した「PARTY CHAKKA-MEN」など、自身らの特色を各楽曲に分散。そうすることで、EDMを強く打ち出した前作『DREAMIN’』以上にスリリングで抑揚に富んだ展開を生んでいるわけです。アメリカナイズされただけの代物だと思ったら大間違い。


No.4 with LOVE / 西野カナ
集計期間ぎりぎりのリリースながら4位という高位置に滑り込んだ、本企画のダークホース。恋愛、友情、パーティーと、どこを取っても紛れもない”カナやん調”なのですが、楽曲単位でじっくり踏み込んでみるとびっくり。極めて多彩で優れた娯楽音楽ではありませんか。中でもバウンシーなトラックでクールに攻める「Love Is All We Need」と、いつになくセクシーなキャラ造形が癖になるアラビアン・アップ「Abracadabra」の二強は、今年世に送り出されたすべてのポップ・チューンの中でも屈指の出来。「Darling」や「好き」といったブラック・ミュージックとは縁遠い楽曲も含め、楽しく聴かせて頂きました。


No.3 Coming Up Roses / さかいゆう
いよいよTOP3の発表。3位は、一年を通して高い鑑賞頻度を誇ったさかいゆうのアルバム。インディーズ時代から歌い継がれてきた純朴たる音楽性は、本作でもって急速に深化。オーガニックな音像は一層メロウ味を強め、KREVAをはじめとするアーティストとのコラボレーションではより生き生きと。そののらりくらりとした自由なスタイルは、さながらノマドの日常といったところで、優しいピアノのタッチも相まって脱力を禁じ得ません。音楽に多幸感を求める人は是が非でも聴くべきです。


No.2 Lonely Angel / 青山テルマ
2位は青山テルマ決意の一作『Lonely Angel』。「TOKEYO」をリード・トラックとして打ち出してきた時点で、現在の活動に懸ける意気込みはある程度感じていたのですが、やはりと言うべきかアルバムはもっと凄かった。自身のクリエイティビティのみならずパーソナルな魅力も欲張りに追求するその熱き姿は、音楽家のロールモデルに相当。近年の葛藤や挫折まで惜しげも無く織り込まれているためやや陰のある作風ではありますが、言い替えればそれこそが、彼女のたくましい精神を裏付ける最高の対比要素でもあって。と、これ以上難しいことを並べるのも野暮なので、最後に要約を。「青山テルマ史上ずば抜けて格好いい一枚です」。


No.1 Timeless / w-inds.
2014年のアルバム部門の首位を奪取したのは、w-inds.が丹精込めて作り上げたオリジナル・アルバム『Timeless』!!ダンサブルとソウルフル。この二つの概念を軸に、元来より持ち前の先見性を費やしてきた彼ららしいオントレンドなコンセプトが炸裂。豪腕なクリエイターたちがあの手この手で仕掛けるエンタメ性の高いアプローチもさることながら、ヴォーカル面における成長ぶりもしかと見せ付けてくれる、本当に清々しい作品でした。もはや彼らを前にして、ただのアイドルだと揶揄する輩はいるまい(仮にいたとしたら断固として反論します)。先述の青山テルマしかり、昨年はメジャー級のアーティストがこぞって高次元な作品を送り出したことで、以後の音楽シーンに前向きな感情を抱くことが出来たように思います。2015年も変わらず、アーティスティックな傑作を心より期待しています。


以上をもちまして、JBS的2014年総括企画は終了致します・・・と言いたいところなのですが、まだ私、読者の皆さまの意見を聞いておりません。ですので明日より、参加型企画「JBS PLAYLIST」にて「あなたが選ぶ2014年のベストソング/ベストアルバム」の募集を開始させて頂きたいと思います。詳しい要項は追ってお伝えしますので、ふるってご参加頂けると嬉しいです!!それでは!

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