8. Not Your Rules
Timbaland作品を彷彿とさせる混沌さ巻くアップ・ナンバー。Checkmateによるトラックは勿論のこと、日之内エミが手がけた刺々しさ全開の自暴自棄リリックからも、これまでの宏実には見られなかった鬼気迫る情致をひしひしと感じる。
9. If I Can’t Have You
「Sweetest Drug」「愛されたい」など数多くの楽曲でタッグを組んだT-SKが、本作にも極上のメロディアススローを提供。叶わぬ恋を嘆く不憫な主人公像は、宏実がデビューから追究してきた一つの王道でもある。
10. Rain
村山晋一郎による爽やかなアレンジが照り返すミドルテンポの激励歌。前曲「If I〜」のアウトロとこの曲の冒頭が自然にクロスするため、まるで一面の曇り空がたちまち晴れ渡っていくかのごとく清々しい多幸感が味わえる。
11. Unforgettable
U-Key zoneプロデュースの優雅なミドルナンバー。伸びやかなボーカル・ワークとは対照的に、ボトムに敷き詰められたシンセはドッシリと重く、楽曲の存在感を際立たせている。
12. COOK
パートナーへの忠誠を誓う官能派スロウチューン。宏実の実姉である朋子演奏の箏が大々的にフィーチャーされ、主軸を担うねっとりとした歌唱とともにしっとりと後を引く。
13. LOVE HANGOVER
カミカオルとCheckmateの共同プロデュースによるコンテンポラリーな4つ打ちダンサー。感情に身を任せ疾走するボーカルに、良い意味での焦燥感を覚えたのは筆者だけではないはず。
14. ラッキー★ガール
アメリカの恋愛ドラマを再現したような舞い上がりっぷりが微笑ましいポップR&B。曲中には甲高いエフェクトボイスも響かせるなど、ふんだんな遊び心は本作随一。
15. Y.O.U
ギターカッティングの効果的なループが哀感を引き起こす正則R&B。構成、フェイク、トラック、どこを取ってもリズミカルで、かつ本場のR&Bと比肩できるほどの安定感もある素晴らしい出来。
16. U Need Love
潤沢なピアノが主導する、慈愛に満ちたバラードナンバー。ビブラートが放つ美しい余韻と、T-SKの紡いだ上品な音色に心ゆくまで身を委ねるべし。
17. I Believe
アルバムのラストを飾るのは、”信じることには意義がある”と諭す穏やかなミドルスロウ。フリーペーパー『TOUGH』の企画で大学生と対談したことから生まれたナンバーだけあり、人生の先輩という立ち位置から、自身の持つ揺るぎない思いを真摯に訴えかけた内容に。
宏実『Magic』
2011年1月12日発売
1. Intro ～Magic～
2. Magic feat.SWAY
3. More & More feat.日之内エミ
4. Addicted
5. Fallin’ In Love Again
6. My Way
7. Superwoman feat.SWAY
8. Not Your Rules
9. If I Can’t Have You
10. Rain
11. Unforgettable
12. COOK
13. LOVE HANGOVER
14. ラッキー★ガール
15. Y.O.U
16. U Need Love
17. I Believe
